小さな森の記憶

ある日 不思議な種から
森の赤ちゃんが生まれました。
こぐまのポントは
『ネモフィ』
と名付け 家に連れて帰りました…

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「泣かないで…ぼくのお気に入りの毛布をあげる」 ポントは慣れないお世話に、おろおろ…せっかくの毛布も、うまく巻けず困ってしまいました。

次の日、こひつじのマリーはぐるぐる巻きのネモフィを見て言いました。
「この子にぴったりの服をつくってあげましょう」そして、ふわふわの柔らかい糸を紡ぎはじめました。

こぞうのポウポウは「大きな手でも着せられるかな?」
服のかたちを考えています。 「ぼく、むずかしいの苦手だよ…?」
ポントもつぶやきました。
それを聞いたこりすのアマンは 「ぼくに任せて!」と、服をつくりはじめました。

アマンがてきぱきと、みんなをまとめて服はあっという間にできあがりました。

できあがった服を見てポウポウとポントはびっくり!
「袖が広くて着せやすいよ」
「二枚の服を重ねて一枚の服にしたんだ」
「紐をひとつ結ぶだけで終わるね、らくちん」

みんなの優しさに包まれて、ネモフィは安心したように寝息をたてました。